海外先物取引トラブル
1.海外先物取引の概要

将来の一定期日における商品の売買を約束し、その価格について現在の段階で取り決めておく取引を先物取引といいます。そのうち、海外の商品取引所で行うものを海外先物取引といい、最近よく扱われる海外先物商品としては、シカゴ商品取引所での大豆、ロンドン商品取引所での原油等が多いです。

海外先物取引の方法によれば、価格変動の大きい海外先物商品を取り扱う際、例えば、当該(海外先物)商品の価格が将来の売却期日において大幅に暴落したときも、予め取り決めておいた価格での売買が可能であるため、価格変動によるリスクを回避できるというリスクヘッジ機能(=保険つなぎ)を活用できること、及び商品の受渡日までに反対売買を行うことにより、例えば、買い方の場合は転売をすることによって先の取引額と反対売買を行った際の取引額との差額により利益を得るというスペキュレーション機能もあります。

ただ、(海外)先物取引は証拠金取引であり、委託証拠金として投入した額の5〜10倍ほどの額を取引することが可能(=レバレッジ機能)であり、利益が生じる場合はかなり大きくなるという期待が持てる反面、損失が生じた場合も非常に大きなものとなってしまう超ハイリスク・ハイリターンの投機的取引といえます。

したがって、海外先物取引は一般消費者が簡単に飛び込んでしまうには余りにも危険極まりないものであり、もし海外先物取引をされるのであれば、1つの事業を起こされるほどの強い覚悟を持って臨まれるべきものであることは間違いありません。


2.海外先物の解約手続

海外先物取引は、通常、商品売買に関して業者に委託して行うため、委託契約の性質上、いつでも解約できるというのが原則です。

したがって、万が一、海外先物取引の委託契約をしてしまったことにより損害が生じてしまった場合であっても、少なくとも適式に解約通知を出した上で一定の損害金を支払えば解約自体は可能でありますので、それ以上被害額を増やさないようにすることはできるわけです。

また、海外先物取引の委託契約に関し、業者と営業所等以外の場所で契約したような場合(例:車中、ファミリーレストラン、喫茶店、消費者宅等)、14日間は顧客が業者に対し売買指示を出してはならないという規定がある結果(法8条)、何らの違約金・賠償金等も発生せず、その解約は事実上無条件となることにより、極めてクーリングオフに近い効果が得られるという面があります。


3.海外先物取引に対する法律による規制

海外先物取引に対する法的規制は「海外商品市場における先物取引の受託等に関する法律」で行われます。

この中では、2で述べたような営業所等以外の場所で契約したときの“顧客の売買指示制限”に関する規定のほか、「確実に儲かります」などと言った断定的判断の提供、「損失が出たときは当社が負担します」という旨を告げて勧誘する等の行為は禁止されております。

さらに、これらの禁止行為の規定に反するような事情が認められた場合、当該海外先物取引業者は一年以内の期間を定めて業務の全部若しくは一部の停止命令を受ける場合もあり、その旨を公表されることとなります。


4.海外先物取引トラブルへの対処

以上のように、法令上の規定には様々なものがあり、業者に対する規制は多岐に及ぶものの、現実的には消費者レベルでの問題解決に向けて考えた場合には、これらの規定をストレートに利用することが必ずしも好ましい結果をもたらすとは限りません。

そこで、とりわけ海外先物取引のような金額的被害が甚大で、かつ法律的に複雑な事柄が絡んでくる問題に関しては、迷わず専門家にご相談されることを強くお奨めします。